しおりん日記

同じアホなら笑わにゃ損!好きなものの話を書く!【twitter】@_shioring_

【ネタバレあり】舞台「 #両国花錦闘士 」があまりにも最高すぎて毎日健康

 生きてる!!!っていまめちゃくちゃ感じている。なぜなら2020年、ほとんど生きていなかったからだ。やっぱり私の心はエンタメが巻き起こす爆風でしか払えない日常の塵が積もるようで、それが大掃除された気分。やっと、まともに呼吸が出来た。脳味噌が興奮でぐるんぐるんしすぎていっそ眠れないくらいなんだけど、お腹の奥からポカポカして全身の血流が良い。いや、まじで免疫上がっているのでは!?こんな最高な多幸感でふわふわした記憶だって、いつかは薄れてしまう。それが寂しくて堪えられないから、やっぱり私は私の言葉で記録を残しておこうと思う。記録は記憶には劣るけど、消えないのが魅力だよね。なので、あくまで私の感想の絞り出し、主観です!!!俺のブログはいつだって主観まみれだ!!!

 ついでにこういう時世だし、見たけどご飯もお茶も出来なくて、誰とも気持ちを共有できないもやもやを抱えた人たちと楽しかったね!!!!!の気持ちが交わせたら最高だな!!!

 ってなわけで、舞台「両国花錦闘士」の好きだったとこをネタバレありで書きます!!!見てない人はしっかり自衛をお願いします。

 ネタバレなしの布教ブログも書いたので、未見の人はこちらをどーぞ。

shioring78.hatenablog.com

 見てないけどネタバレを読むことで会場へと足が向かうすけべなあなた♡がいることも知っているので、そこは各々自己判断&責任でよろしくな!!!

 

 ネタバレ防止のためのパネルとのぼり。


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 ここまで開けたら大丈夫でしょ!だけど念のため、明治座のおいしい深川弁当(1,100円)の写真を貼っておくね。お弁当は明治座公式の席とりくんで予約できて幕間に食べられるよ!仕事終わりでも営業時間短縮でも食いっぱぐれない!!!

www.meijiza.co.jp


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 さて、以下目次です。

 

 

爆裂エンターテインメントに大興奮

歌とダンスに比重を置いた演出インパク

 とにもかくにも、見終わった瞬間、というか幕間の時点でエンタメを浴びたぞ!!!って叫びだしたくなっちゃったんだよね。2020年、圧倒的に力isパワーみたいな予算度外視馬鹿エンタメが足りなかった。それをやっと全身に浴びちゃったもんだから脳細胞あらかた溶けていたと思う。嬉しくて嬉しくて、けどめっちゃ疲れてしばらく座席に身を投げてからロビーへ出たのが印象的だった。何か、芝居を見る体力落ちたな〜〜〜って思ってたけど、それ以上にエンタメを全身で受け止める体力はもっと足りなかった。けど、奪われた分以上に与えられるこの感覚が久しぶりすぎて本当にそれだけで泣きそうになったんだよ。

 もう、とにかくオープニングが最高。オープニングが最高の舞台は約束された勝利って広辞苑にも載ってます(載ってません)。あのオープニング見た瞬間、12,000円のもとは取ったな……って呆気に取られちゃったよね。特に初日は色々あったから開幕前の空気がピンッと張り詰めていて、比喩とかでなくマジで客席で誰も話してないくらいの緊張感で。そこから高らかな徳永くんの声、厳かな空気のまま始まるかと思ったら、いきなり爆裂パーティー!!!!!テンション上がりすぎて、卒倒するかと思った。まじで。血流を急に上げちゃダメ。ヒートショックだよ。ラインダンスとか、土俵を円で囲む振り付けとか天才マジですぎません?????オープニングのショーアップ感、エンディングの大団円感、どっちもすごい幸福感が強いのに、意図がはっきり違うのが分かっちゃう振付&演出なの超凄いよな〜〜〜!!!アニメのOPとEDっぽさある!!!エンディング、みんなの関係性とか成長を頭に叩き込まれた状態で見るから、グッときちゃうんだよね。2回見たけど、2回ともなんか泣いてしまった。突然だばだば泣いちゃう。しかもその理由が幸せすぎるからなんだよね。すごい、わけがわからん。

 二幕のオープニングも大天才すぎません!?絵画のまま飛び出すキャスト、そこからのユーロビート、中央から謎の台座に乗って出てくるボーカル激つよ橋谷ちゃん、明らかなるglobeオマージュ、なのに歌っているのは各場所の説明台詞……こんな怒涛の叩き込みされたら脳が狂うわwwwww

 あとさ~~~個人的に「ふくらんじゃった」の歌が好きすぎてですね。プーさんのハニーハントのプーが夢見てるとことか、ロジャーラビットのぐるぐるするとことか、究極言うと、「ダンボ」の映画に出てくるピンクの像*1のシーンが好きなんですよ!!!カラフルでPOPなキチ●イ幻覚シーン。精神が不安でぐらぐらするのに興奮する、あれが私はシャブ感の震源だと思ってます。不安なのに癖になる。あのシーンにキャスト全員出して来るの、ショーアップだなぁって思うわ。

 ほんと、ミュージカルというよりライブと演劇が溶けて混ざり合った不思議な舞台で大好きだな。これ、ミュージカルって呼ぶのには何か違和感がある。やっぱり3時間ずっとマツケンサンバ*2が一番しっくりくる。天才キャッチコピー。 

 

とにかく音楽が超良い

 音楽、あまりにも最高すぎません?今すぐ物販でサントラを売れ。Tシャツ売ってる場合じゃないよサントラを売れ。最悪サブスクでいい、回し続けるので!!!

 主に90年代~00年代のJ-POPリスペクトで全編作られてて、絶妙にオマージュ先が透けるのめっちゃいいよね。シンセサイザーが効いた、しゃかしゃかしてる小室サウンド的な音楽が超きもちい。私はWINKっぽい「NIGHT LIFE」が超好きです。どれも曲が良くてスッと入るの、もちろんノリノリになって楽しめるのもでかいけど、何より普通の舞台だと飽きてしまいがちな説明台詞がするする入ってくるのが効果でかいよね。場所の成績とか、季節の経過とか、力士たちの調子とか、番付の情報とか、そういうのが視覚効果とともにきちんと入ってくるの面白かったなぁ。これぞ、音楽の力。

 あとさ、忘れちゃならないのがデーモン閣下の主題歌「Naked Men 見ろ、裸の俺たちを!」ですよ!!!いや、舞台に主題歌って何!?wwwww


Naked Men 見ろ、裸の俺たちを!

 いやさぁ~~~何だろうね、これ本当に"""祭り"""感を一手に引き受けてるよね。どうやったらこんな血肉沸き踊る歌が歌える!?これが悪魔の力*3!?!?!?一種の宗教を感じない!?ほら、祭囃子ってやっぱ人の心を狂わせる宗教の歌だからね……うんうん。それに、歌詞がまた、最高に神事なんですよね。祭囃子に乗せられた祝詞ですよ。マジで飢えた身体に与えられた唯一の水分なので、延々とリピートしてしまっている。やばい。

照明・原田保さんの変態職人芸

 そしてもう劇団☆新感線のおたくとしては絶っっ対に触れなければならないんだけど、この爆裂エンタメ性を底上げしているのが原田保さんの照明なのは間違いないんですよね。原田保さんとは、ずっと蜷川作品の照明を手掛けていた方で、最近で言うと劇団☆新感線の照明*4をはじめ、スーパー歌舞伎の「ワンピース」や「オグリ」、歌舞伎で言うと「阿弖流為も原田保さんです。彩の国シェイクスピアもやったり、まじで色々している。

 詳しくはオフィシャルサイトを。

www.cat-group.co.jp

 原田さんの照明で一番好きなの、真っ直ぐ縦横無尽に伸びるレーザーっぽい照明の美しさなんですよね。今回もそれが遺憾なく感じられて、特にカテコラストの色とりどりのレーザー照明がぐちゃぐちゃするとことか、あんなの興奮しすぎてIQ2なっちゃうじゃん……。個人的にすごい好きなのは、偽義経でも使ってた、カテコとは対照的に白一色のレーザーを張り巡らせる照明で、牢屋のように舞台を閉鎖的な印象にするんですよ。偽義経では精神と時の部屋*5で使われていて、今回は昇龍が「ふくらんじゃった」悪夢を見る直前の取り組みで負けたシーンで使われてるんだけど、心が塞がっているのが視覚で伝わるの、本当に超超天才!!!好き!!!ってなる。

 で、2回目は2階の最前列ど真ん中で見たんですけど、いやぁ想像以上に変態照明だった……2階以上でしか分からない仕掛け、たくさんある。特に印象的だったのは2つです。

 1つは床に場面に合わせて西洋絵画が映し出されるデザイン。1階前列で見たときは模様になってる?くらいにしか見えなかったんだけど二階から見ると、担ぎ上げられるりょうさんに合わせてステンドグラスがデザインされてたり、磔になった影浦の前に宗教画?キリスト?ヨハネ?が磔になった姿が床に映しだされていて衝撃的だった……いやこんなことある!?上から見て、尚且つ気付いた人にしか分からない仕掛けですよ!?!?変態じゃん……変態職人ですね、最高。

 2つ目が最後の一線前のクライマックス、渡部桜子と踊る力士が割れて昇龍の背後から橋谷ちゃんが現れるシーン。舞台の一番後ろに橋谷ちゃんが現れた瞬間、そこから最前でうずくまる昇龍の前まで一直線に真っ白な光の石畳みたいのが現れるんですよ!!!いや、大天才!!!ただの白い照明じゃなくて、微かに模様が入っていて、それが一定の太さを持って真っ直ぐに床に描き出される。あれを"参道"と表現する以外に、今のところ私は言葉が見つけられない。小さい頃、神社の鳥居をくぐった参道のど真ん中を歩くな!って教わりませんでした?あれって神さまが通る道だからなんですよね。昇龍に向かって真っすぐと参道を歩いてくる橋谷ちゃんが、女神が昇龍の元に降りてくるようにしか感じられなくて、あまりの美しさと尊さにだばだば泣いてしまった。初日、あそこでは泣かなかったのにな。複数回入る人、まじで絶対に2階以上から見てほしい。やばいです。

 原田さんの照明、まじで狂いの下支えだなぁ。好きだ。

 

トンチキに隠されたグッとくる脚本と脚本家自身がつけた演出

原作からのエピソード選り抜き、足し付け

 原作も購入して読んだんですけど、大体原作通りに進行するのにキーの部分の足し付けが上手で超良かった。これは脚本家・青木豪さん*6への信頼が募っちゃうね。いらないところの引き算もちょうどいいんだよね。ちなみに明治座で買うと原嘉孝くんの帯付きです


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 1冊2000円するのは完全版で分厚いからだよ。ちなみに物を増やしたくない人は、kindle版もリリースされてます。

両国花錦闘士 1 〈東の横綱編〉

両国花錦闘士 1 〈東の横綱編〉

 
両国花錦闘士 2 〈西の横綱編〉

両国花錦闘士 2 〈西の横綱編〉

 

  原作で言うと、最終的に桜子が三兄弟全員と関係を持って4Pになだれ込んだりして昇龍が狂ったり、そもそも桜子と綾小路が関係を持ってたりするんだけどその辺を省いて昇龍と桜子の関係を「見世物と猿回し」「美しさとそれを取り込むもの」「欲望の象徴と欲する者」としてフォーカスしたのが超良かったんだよな。ちなみにこの要素は原作ではもっと朧気というかふわふわした表現に感じます。

 この辺の抜き出しはまぁ~~~~~ジャニヲタとか俳優ヲタに刺さったよね。舞台ってどうしたって女性客の方が多いから、「男を見世物として楽しむ、という欲望を肯定する」桜子のセリフはおたくにぐさぐさ刺さりますわな!!!肯定される安心と喉元にナイフを突きつけられるようなひやっとした感覚。絶妙なバランスで共存してて、あのセリフぐっときちゃうんだよな……。だってそれまで、私たちは裸の男たちが歌って踊るのを全力で楽しんじゃってるわけだからね。リアルタイム共感ですよ。

 原作、めちゃくちゃ面白いんだけどラストは割とぐだっとして終わったので、昇龍にフォーカスを絞り、桜子との関係を上記にフォーカス、そしてあえてそこに橋谷ちゃんを通じた「神事としての相撲」「人としての成長」を盛り込んだのがトンチキお祭り騒ぎのラストをバシッと締める要因になったのかな。ラストシーン自体は、原作と同じ何でそこに至るまでの要素なんですよね。あの光の参道が現れ、前半の「青龍」が見えるフラグ*7美しさとは何かという昇龍からの問いかけフラグ、その全てが気持ちよく回収され、相撲がただのプライドをかけたスポーツでなく神事だってことを痛感させてくれるんだよね。神事だけど、欠かせない娯楽(スポーツ)でもある。どちらの側面も伝えるの、リスペクトを感じて大好きだ!!!

 「成長」も「神事」も「欲望」も「見世物」も「美しさ」も演劇に通じるところがあるから、相性が良かったのかもしれない。それで言うと、「神事」というよりは偶像崇拝に近いけど、アイドルもかなり近い気がする。

 おかげでさ~~~、相撲×演劇×アイドル、そのすべてを背負った原嘉孝が最後に発する台詞が生々しい説得力を持ってしまってやばい。これで代役なんだもんな~~~。もちろん、原くんの芝居が上手いことが大前提ではあるんだけど、おたくはバックボーンに弱い生き物なので許してほしい。ほんと、それまでどんなにトンチキに見えていても、あのワンシーンで美しく締まってしまう。何なら涙してしまう。厳かな雰囲気で神をおろして、ラストは最高の祭囃子で締めるのが、本当に祭りだと思うんですよ。あまりにも祝祭。演出・脚本の腕力がすごい。 すごすぎる。

 

漫画原作を逆手に取った映像技術

 ほんとね、映像仕掛けの使い方が上手だった。歌詞の打ち出しや源田の紹介wwwはもちろん、何より好きだったのは漫画の世界にリアルを取り込んだことなんですよね。特に印象的だったのは絵画のシーン。幕間に原作・岡野玲子が描いた西洋絵画をオマージュとした相撲取りのイラストを緞帳に映していて、一見おしゃれなオブジェにしか見えないのに、二幕始まったらラストに表示されてた絵画のままキャストが出てくるとかあまりにも大天才演出すぎて腹筋引き攣るくらい笑ってしまった。ああいう仕掛け、一気に引き込まれちゃうよね〜〜〜!!!昇龍の引退後のシーンが漫画のコマのように割られた形でポコポコ出てきたり、りょう様のバイクのシーンとかもさ、そういう細かい漫画と一体化する仕掛けも最高だったよね!?りょう様のバイクシーン、めっちゃどうでもいいシーンなのにやけに凝ったプロジェクションマッピング融合させててげらげら笑っちゃった。職人たちが全力でやるバカ、大好物です!!!

 あとさ〜〜〜やっぱり触れちゃうけど取組のシーンね。様々な動画や演出を駆使してて、背景だけ使ったり、投げ飛ばされる間抜けな動画を流したりこれがラストシーンに効果的に繋がってると思うのよ。この辺の凄さ、やっぱり脚本家自身が演出をしてる強みだな~~~ってなる。

観劇客に相撲観戦を本気でさせてしまう仕掛け

 舞台にあるのはいつだって土俵だけで、背景が漫画引用で行われたり、背景無しでテレビを表す薄膜越しだったり、投げ飛ばしの様子が動画処理をされたり、そんな取り組みを繰り返し繰り返し見せられてきてさ、最後の最後ですよ!!!どーんと吊り屋根のセットが現れた瞬間、ひっくり返るかと思った。散々取り組みがあったのに、この最後の一戦のためだけに吊り屋根も、水引幕も、四神の房も、すべてが用意されたわけですよ。この頭が悪すぎるけど粋なお金の遣い方、私の愛したヴィレッヂだ……って嬉しくなっちゃったよね。天と地を繋ぐ神具がすべて揃った吊り屋根と土俵とキャスト全員が揃って、まるで初めてすべての鍵が揃ったかのようにその瞬間、取組が”””本物”””なっちゃっうんだよね……。一転して厳かなライティングに変わって(原田保さん、愛してる!!!)、キャスト全員の緊張感に飲まれて、観客席もあの一線だけは観劇でなく観戦してしまう。会場全体が一つの生き物になったみたいに、息を呑むあの瞬間めちゃくちゃ鳥肌が立ってたな。あんな経験滅多にできない。いま、目の前で勝負が行われてるんだもん。あれは今までの演劇的な見せ方を重ねていた取組があったからこその本物感なんだろうなって思うと演出の凄さに唸っちゃうよね……あっぱれ!!!!!

 なんかさ、土俵の上で女性が踊ったり、禁忌なこともやらかしてるのかもしれないけど、相撲に興味ない人間に「相撲が見たいな」って思わせられる時点で、相撲をリスペクトして作ってるんだろうなって思っちゃうんだよね。私、終わってから相撲協会のHPで所作のこととか仕組みのこととか調べちゃったし、普通に相撲観戦したくなったし、twitterでも興味持ったってツーとしてる人、たくさん見たもん。 これ、意外とでかいことだと思う。

 

各キャストの感想

 さてこっからは簡単にキャストの感想だよ!!!全部主観!!!私のブログは主観しかねぇ!!!

昇龍/原嘉孝

 いやぁ、本当にでかい男になったね……初日、カーテンコールで一番最後にど真ん中から出てくる姿を見たら私ですら涙が止まらなかったよ。あまりにも0番で、あまりにもいい役者で、あまりにも眩しかった。2年間の間で大きくなったなぁって勝手にタニマチ根性みたいなものが生まれてしまう。物理でも大きくなったけど(笑)、まじで役者としてめちゃくちゃでかくなったよね。0番が板についてる。すごい。本当にすごい人だ。

 きっと、ずっと推していた人たちにとってはこれ以上ないくらいの贈り物だったよね。原Jr.たち*8本当に幸せだね……終わった後、原くん担当のおたくをみんな抱き締めたいねって、あんたたちの男は最高だねってハイタッチとかしたいね、って身内で話していたのをめっちゃ覚えている。おたくたち、おめでとう、おめでとう。

 原くんは毎回その役になってしまう(語彙力0)というか、前の役の欠片を微塵も感じさせないのが本当にすごいなって毎回思う。今回も前役ホット・スパーの欠片を微塵も感じなくて、もちろんISLAND TV*9とかで見る原嘉孝くんも透けなくて、生まれたときから宏美・昇龍として生きてきた男だったんだよな。役が抜ける瞬間が本当にない。あと、やっぱこういうケレン味のある舞台が似合うよね~~~!!!粋!!!今までで一番好きだった!!!コメディも全開全力で出来るのに、しっかりとキメシーンで感情の出力が最大になる。その瞬発的な爆発がやっぱり大好きなんだよな。瞬時に切り替わって伝わる感情の圧が強くてビリビリする、情緒を殴られてぐらぐらする。やっぱりまた新感線出てほしいって、新感線のおたくは思ってしまうわけですよ!!!

 私、初めてみたとき*10に原くんのことを「発光している人間」だと思ったんですね。こっからはおたくの痛い話なので飛ばし読み推奨ですが、発光してる発光してるって二年間言い続けてたんだけど、まさかラストのセリフで発光する話が出てくるとは思わなくって、座席で失神するかと思った。

夜も光る程艶やかになって、お前らを眠れなくさせてやる」

 この台詞、当て書きじゃないのが嘘だと思うくらい、原くんのためのセリフだ……って思っちゃうんですよ。いやさっき散々中の人が透けないって言ってたくせに!!!いやね、透けてないんだけど、おたくが勝手に重ねてしまうだけです。これはおたくの罪。多幸感で脳味噌がぐずぐずになりながら、勝手にこの瞬間「第一章の終わりだ……第二章の幕開けだ……」ってなってしまった。おめでたいおたくなので、壮大な伏線回収を食らった気分になってしまって。奇跡の一致。狂うわ、こんなの。いや、ジャンプだったら第一章完結、こっから更なる冒険の始まりでしょ!?!?!?しょうがなくない!?!?!?すごい、マジで人生漫画だ。(ここまでが読み飛ばし推奨です!!!!!)

 でもさ~~~昇龍のストーリーと原嘉孝くんの成長譚がどうしたって重なってしまって、エモさ倍増さらにドーン!って感じだよね……主題が「見世物だからこそ何だってできるし何にだってなれる」「美しくありたい、神様に捧げたい」「夜も光るほど艶やかに」だもんね……相撲の話であり、演劇の話なんだ。重ねるなという方が無理だ。そして、どんだけゲラゲラ笑っても、クライマックスの緊迫した清らかなシーンからカテコの幸福な時間のラッシュでだばだば泣いてしまう。すごい。情緒めちゃくちゃです。

 芝居が上手いのはもちろん魅力だけど、それ以上に原くんの魅力って発光しているような天性の華だと思うんですよね。原くんって本当に光らされているんじゃなくて、発光している少ない人間だと思ってて。原くんは私の中で恒星なんですよ。恒星だからこそ、その光に照らされて光る惑星が周りに集まるんですよね。今回のカンパニーも座長の光で、みんなきらきら光ってたもん。人を惹き付けるという才能は板の上だけに留まらず、カンパニーもあったかくするんだなぁってこのカンパニーを見てると思います。けど、原くんが面白いのって、発光しているけど0番にしかなれない人じゃなく、色々なものになれるとこなんですよね。これが技術の下支えなのかな?何にだってなれるし、どこまでだって大きくなれる。そんな未来を見せてくれる。これから銀河系をまるごと照らすようなもっとずっとでっかい恒星の役者になってくれ。

 いや、まじで神様に選ばれた男だった。原嘉孝くんはきっと演劇の神様に捧げられる男だ。って納得しちゃうラストだったよな…………。原くん見てるといつもすごく楽しそうで本当に芝居が大好きで、芝居を愛しているのが伝わってきて、だから神様と相思相愛だと思うよ。

 原嘉孝くんの話をすると一生ポエマーになってしまう!!!なぜ!?!?!?*11

 

雪之童/大鶴佐助

 雪ちゃ~~~~~ん!!!雪ちゃん可愛かったから見るたびぽわぽわしちゃうんだけど、あの肉襦袢を着て相撲取ったり踊るのとんでもない運動量ですよね!?!?!?全身に重りをつけているような状態なのに、蹲踞の姿勢*12キープできちゃうの超すごいよね……倒れないってどれだけ稽古したの……。一人だけ汗の量が違うので、千穐楽を迎えるまでに佐助くんがなくなってしまわないか心配です……首の下骸骨になってたらどうしよう……。でも、あの肉襦袢着てもダンスのキレが1、2を争う感じなの、めちゃくちゃ運動神経いいんだろうな。

 雪ちゃんって可愛いけど、根っこが図太いじゃないですか。可愛いかったり人が良かったりするだけじゃないっていうか。その少しだけ図太くてちょっと無神経なとこが可愛さの合間に見え隠れする芝居なの、超超解釈一致で大好き!!!

 

橋谷淳子/大原櫻子

 今回、実は根幹の重要な役割を背負っていたのは櫻子ちゃん演じる橋谷だと思ってます。私の中の裏MVP(表はもちろん原くんだよ!)。何でかって言うと、橋谷が客席と舞台を繋ぐ架け橋*13だったと思うんだよね。架け橋の役割ってめっちゃ難しいと思うんですよ。見てる人の疑問をナチュラルに台詞でぶつけて話を進行したり、説明台詞を観客にとっての自分事に落とし込んだり。まじで一幕にあるあの膨大な説明台詞や質疑応答台詞がストレスなく入って来たのは、櫻子ちゃんの芝居と歌の力だと思ってます。ここの力量で、後半のフラグ回収に気付けるか変わるじゃん!?今まで見てきた櫻子ちゃん*14見てると割とメインに置いてこそ輝くタイプだと思ってたので、こういう器用な感じのことまで出来ちゃうの!?!?って感動した。歌が本当に上手な人って、感情を伝えるだけじゃなく情報も的確に伝えられちゃうんだね……。一幕~二幕の冒頭、飽きずに情報を詰め込めるのはまじで大原櫻子腕力エスコートの賜物だと思う。あの歌声、身体の7割が声帯って言われても驚かないよ。そして、等身大の芝居で観客の言わばアバターになって、相撲を知り、愛し、昇龍のまわしに恋していく過程を一緒に体験させてくれる。名ナビゲートですよ……愛。

 あとさ~~~!!!個人的に一番好きだったのは桜子の欲望に惑わされた昇龍の背後に橋谷ちゃんが現れるとこです!!!あそこの神々しいオーラやばくなかった!?!?あの瞬間、確実に橋谷ちゃんは女神だったよ……女神降臨……橋谷ちゃんの登場から吊り屋根が降りてくるのもいい……四神従えてるじゃん……女神じゃん……。

「五穀豊穣の神は女神よ?」

 って台詞の言い方とか1兆点だよね!?あの、ちょっと挑発的な言い方、先回りで勉強してきたの分るし、相撲記者としての自信やあり方が定まって成長したことがたった一言から伝わって来るんだよね……最高。この一言が好きすぎて毎回息を詰めてしまう。メタマクのときも思ったけど、前半のぎゃーぎゃー駄々っ子が最高に可愛いからこそこういうキメの台詞で一気にカッコ良く締められるとめろめろになっちゃうんだよな……櫻子ちゃんの芝居、恋をしてしまう。

 あと原徳櫻トリオ死ぬほど好きだから、一生マブでいてくれ。頼む。

 

清史・藤田など/木村了

 俺は!!!信じない!!!木村了が出てない世界線があったなんて!!!!!(クソデカボイス)ってくらい、あまりにもハマり役だった。終演後、身内みんな「とぅら~~~い」「あくちゅあり~~~」「ひろぉ~~~み」「3days off」を連呼してて、2020年TL流行語大賞*15を総舐めしてたねwww本当にお兄さんも編集藤田もめちゃくちゃ最高に気持ち悪くて(褒めてます)天才だった……特に、橋谷の気持ちを勘違いしている状態でディスコで踊るシーンの気持ち悪さは天下一品だよ……新感線のおたくには伝わりやすいかと思いますが、調子に乗ってるときの勝地涼くらい気持ち悪かったよね……。

 ほんと、この時期に了くんのスケジュールが空いてたの奇跡だし、しかも引き受けてくれて本当にありがとう、ありがとうしかない。更に言えば、雑誌のインタビューで原くんが「了くんが自分のやっていた役を全然違うアプローチで演じてて刺激になった」(意訳)的なことを言っていたので、まじでありがとうの二乗です!!!

 

節子/紺野美沙子

 ママ~~~~~!!!!!やさしい包容力で舞台のみんなを包んでくれたママ……まじでママ。娘が浴びせた「デブ!」って暴言に対し、部屋のみんなに「太ったみんなが好き」って言ったあと、きちんと痩せっぽっちの花ちゃんに「いっぱい食べて大きくなろうね」って言ってくれるとこが超ママすぎて大好きだった。雪ちゃんのお母さんはおっかさんって感じで、女将さんは圧倒的ママなの、同じ母性でも演じ分けが全く違くて面白かったな~~~。

 ってか、ディスコで梅ちゃんのダンスを見て「私、スー女になるぅ~~~!!!」って言うミニスカギャルが紺野さんなんだけど、あまりに脚が綺麗で可愛くて驚いた……いや、紺野美沙子さんに何てことやらせてるんだよ!!!紺野さんに四股ダンスさせちゃダメだろ!?!?!?まじでありがとう、素敵でした、スタッフ陣の無茶を受けてくれた紺野さんと許してくれた事務所に感謝。

 

渡部桜子/りょう

 桜子さま、私じゃダメですか!?何で昇龍なんですか!?私のことも飼ってくれませんか!?!?!?この舞台で一番多くの夢女*16を生んだの、間違いなく桜子様でしょ!?!?!?マジで"""見たいりょう様"""2020年アップデート版だった。(ちなみに"""見たいりょう様"""2019年版は「偽義経冥界歌」の黄泉津様でした。黄泉津様も最高の女なので桜子が刺さった人は絶対にゲキ×シネで見てくれ頼む。頼むぞ。)エキセントリックでドSなのにキュートで憎めない、マジで特盛って感じだよな……あとりょう様にブルーのスリットバッチリタイトスーツ・腰の印象的なベルト・エッチなタイツって衣装を着せた人*17は国から褒章もらって。あんな豪華な椅子が似合う人はいないし、それ以上にたくさんの相撲取りで作られた人間椅子が似合う人間はりょう様しかいない。作画が岡野玲子すぎた。一人だけ漫画のまんま動いてたよね……目の錯覚かな?キャスティングした人、天才。

 時代背景がバブルだなってことを分かりやすくしたのって桜子の存在なんだよね。バブルっていうことを踏まえないと考え方が古かったり、倫理的にNG表現あったりするんだけど、しっかりと少し古い時代の話ですよって分かることで許容のラインが一気に変わる気がして。存在だけで時代背景を語れるりょう様、超すごかった。

 

 こっからはメインキャスト以外で個人的に好きだった人!!! 

徳永ゆうき

 私は!!!登場力士の中だと須藤王関推しです!!!すごくない!?弱かったら普通に逃げちゃうと思うんだけど、自分で生きる道を見つけ尚且つ力士を辞めない須藤王の胆力に私は俄然興味がある。あのキャラクター、ふてぶてしくて犯罪すれすれなのにどこか憎めなくてキュートなの、徳永くんならではの成せる業だよね♡かわいい♡

 物語の第一声が徳永くんで始まるの本当にいいよね。徳永くんの声ってめちゃくちゃ美しくて鼓膜吸引力(???)がダイソンも真っ青だから一瞬で舞台の中に没入できちゃう。こんな特別な役割が出来るの、徳ちゃんしかいないよなぁ。

 あと、今回の原くん急遽主演っていう現場に徳ちゃんがいてくれたの超でかいと思う……マジで原徳櫻、一生マブでいて(サビなので繰り返しました)

 

市川しんぺー

 しんぺーさんがいると安心してしまう実家に行くといつも会う親戚のおじさんみたいな気持ち……原くんとの共演率が断トツだからか、原くんが心を許しているのが芝居の端々で感じちゃってきゅーんとする。特に、上手端でしているサイレント芝居で、しんペーさん演じる親方が「来い!」ってしてて、原くんが思い切りお腹に張り手するとこ、まじで超かわいくて大好き。髑髏城の七人season月で見た福士蒼汰くんとのキッズルーム*18を思い出してしまう……あそこ、絶対にこれから可愛く遊んじゃうやつでしょ……。

 あと、カテコの櫻子おててガチャも大好き~~~!!!しんぺーさんに甘えきってる若い子チーム、あまりにも愛おしい。

 

その他気になった人

 大山真志さん、あなたには騙されました!!!(笑)閣下、初日2列目だったのに普通に本物出てきたと思ったわwww知らない方のために以下のツイート!

 このツイート見るまで信じていた。俺の負け!!!あと、アイーダをあんだけ長い時間やっても許されるのは大山さんの圧倒的歌唱力表現力あってこそでしょwwwwwじゃないと今頃偉い人にめっちゃ叱られてたわ!!!

 皇希さん!もうね~~~やっぱりダンスが圧倒的に好き!!!あのビッグボディから繰り出されるダンスの圧、痺れちゃうよね!!!ダンスにどんなに明るくない人が見たって、秒で「やべぇ奴」ってのが分かっちゃうディスコシーン、愛さずにはいられない。

 岸本慎太郎くん!花ちゃん、シンプルに顔が好き(これは女の欲望です)。ジャニーズJr.の二人(となぜか了くん)だけ圧倒的に旗のさばき方が上手くて爆笑してしまった。ジャニーズの血脈。

 

 以上、14,000字!!!ここまで読んだ人、お疲れ様……

 あと7回くらい見る予定があるのでまたブログを書くかも。まだ小道具とか全然見れてないのよ~~~せっかく劇団☆新感線のインディ高橋さんの小道具なのに!!!絶対に仕掛けが盛り沢山!!!

 それにしてもこの衝動、久し振りで楽しい!!!食う寝る仕事以外は文字を吐き出してる!!!元気!!!超絶元気!!!!!忘れていたエンタメの中毒性、おかえり……おかえり……待ってたよ。両国花錦闘士で楽しんたみんな、是非リピートして感想書いて!!!新鮮な感想はいずれ癌にも効く*19!!!

 とにもかくにも、まずは完走できますように。このハッピーな祝祭を地方まで届けて、日本中の厄をまるごと祓ってほしい。祝祭はまだまだ終わらないぜ!!!!!

 

 

 何かあればマシュマロにどうぞ。

 ネタバレの話は、いずれまとめてnoteあたりで返信をしようと思ってるので辛抱強く待ってね。ネタバレないやつは普通にtwitterで返します。

marshmallow-qa.com

 

*1:ファンシーで心温まる物語であるはずの同作において異常な狂気が発揮されているワンシーン。みんなのトラウマ。ピンク色の象の化け物達が奇怪きわまる様相で行進したりダンスしたりするという映像。たっぷり5分続く。【ニコニコ大百科より】

*2:天才ツイート:(https://twitter.com/s_chiiiii_o/status/1335267190824554496

*3:デーモン閣下は御年10万58歳になる本物の悪魔です

*4:近年だとステアラの全演目、「偽義経冥界歌」「けむりの軍団」も全部原田さんの照明です

*5:正式名称は「魂の袋小路」。生まれて初めて迷って九郎の魂が迷い込む場所

*6:直近で言うとヴィレッヂアナザースタイル「カチカチ山」、こっちも超良かった

*7:この青龍が見える話は原作にない

*8:Johnny's web連載「ハラハラちゃぼす」で自分のファンをこう呼んでいたので

*9:ジャニーズJr.が動画をあげるチャンネル。無料です。

*10:メタルマクベスdisc2です

*11:身内たちと原嘉孝はなぜこんなに言語化のおたくに刺さるのか、という話をした

*12:http://www.sumo.or.jp/IrohaKnowledge/kihon_dousa/

*13:橋谷だけにダジャレみたいになっちゃって恥ずかしい!!!!!

*14:メタマクと怪人と探偵

*15:これまでの有力候補は「信じる力」(浦島さん)、「10万円ATMに振り込む」(獣道)あたりでした

*16:夢小説の登場人物。この場合は大まかに桜子のしもべになりたい人を指してます

*17:衣装は古田新太の「ロッキーホラーショー」「獣道一直線」の高木阿友子さんだよ!

*18:贋鉄斎を訪ねた捨之介とのやり取りのシーン。しんぺーさんに心を開いた(開きすぎた)福士蒼汰が自由すぎるアドリブを行い、おたくたちからキッズルームと呼ばれるようになった

*19:おたく構文です